乳房再建をご希望の方へ

top > 診療のご案内 > 乳房再建をご希望の方へ > 乳房再建術の遷移

乳房再建をご希望の方へ

乳房再建術の遷移

乳房再建について

1960年代までの乳房再建術は、腹壁や胸部外側の皮膚を移動する方法で手術回数が多い上に手技も複雑で、合併症も多く結果も満足できるものではありませんでした。従って乳房再建を受ける方はごく少数でした。

しかし、1970年代になり、人工乳房(液状シリコン)が開発されたことと、1980年代から自分の体から組織(皮膚、脂肪、筋肉など)を移植する新しい手術方法(筋皮弁形成術)により、かなり満足が得られる乳房再建が可能となりました。当院においてもそのような手術方法で1982年から乳房再建を行ってきました。しかし、1991年に米国で液状シリコンの人工乳房の安全性が訴訟問題となり、1992年には日本でもマスコミなどによって騒がれた結果、シリコンの販売が中止されました。現在当院では、基本的に液状シリコンの入った人工乳房などは使用しないで、患者さん自身の組織のみで乳房再建を行っています。体に余剰の皮膚や脂肪のない方には、組織拡張器と新開発された食塩水入りのプロテーゼ(袋)を使用した乳房再建を行います。

多くの施設で行われている患者さん自身の組織を利用して乳房を再建する方法としては、背部や臀部の皮膚、脂肪、筋肉を利用する方法があります。しかし、背部にはあまり余剰組織がなく、臀部では歩く筋肉を使用しなければならないため、下腹部の皮膚、脂肪、筋肉を利用する腹直筋々皮弁法が広く行われています。これは多くの患者さんの下腹部に、余剰の皮膚・脂肪が認められるからです。